Greek bronze coin of Pan(SOLD)

ギリシア銅貨(紀元前340-325年 パンティカパイオン)

Size: Φ 2 cm

表:蔦の冠を被った牧神パン
裏:弓と矢。ΠANTIの銘(欠けているのでANしか見えません)

牧神パンは山羊の角を持つ半獣人の姿の奇妙な表されるのもさることながら
性格としても変わった神で、魚になったり、山羊のように山の高いところまで到達できるため、
「全て」を表すpanという接頭語の語源とされています。
現在盛んに使われている「パンデミック」はpan-「全て」+ dēmos「人々」から派生していて、
つまり「全ての人々に広がる」の意。パンドラは「全ての贈り物」です。
またパンは混乱と恐怖をもたらすこともあったため、panicの語源にもなっています。
笛を吹き音楽を作り出した神とも考えられていますが、
人を襲ったり女神を誘惑する様子が彫像や壺絵に残っています。とんでもない神です。

このコインが鋳造されたパンティカパイオンは黒海に面した古代ギリシアの港湾都市。現在のクリミア半島東端のケルチ。
ボスポロス王国の首都でありギリシア本土の輸入品が交易にもってもたらされ、
地元でも南イタリアの赤像式陶器を模倣したケルチ様式が生産されました。

パンティカパイオンという名前の由来には諸説あり、
古代イラン語の「魚の通り道」から派生したというのが一般的。
牧神パンが描かれているのは偶然の語感の一致とは考えにくいですが、
サテュロスやシレノスが描かれているコインもあるのでパンが守護神ということではないのかも知れません。

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Google photo

You are commenting using your Google account. Log Out /  Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

Connecting to %s